スーツを新調したって所詮3流大学じゃたかが知れてる

今日は朝から久しぶりに父親と釣りに行くのだ。

昭和22年(1947)4月|労働基準法が制定される:日本のあゆみ

出がけに母親がスーツの採寸に行って来いとうるさく騒いでいたが、スーツを新調したって所詮3流大学じゃたかが知れてる。普通に就職活動をしたところで今の俺が雇ってもらえるところなんか、他の誰でも務まる仕事しかないだろう。普通であれ、まっとうに生きろ。母親は俺に平凡なサラリーマンになることを望んでいるようだが、まさに平凡なサラリーマンだった父親は俺の就職活動についてどう思っているのか聞いてみたかった。今日は俺の運転で、車で1時間ほどのところにある昔から馴染みのある釣り場に向かった。



現地につくと既に時刻は正午を過ぎていた。先に飯を食ってからにしようと、これも昔からある小さなうどん屋に入る。今日は帰りも俺が運転するからと父親にビールを勧めると、父親も喜んでそれに従った。俺がうどんを待ちながら、就職活動についてどう切り出そうか迷っていると、しばらくてんぷらとビールを無言で楽しんでいた父親が急に、スーツを作るのかどうか聞いてきた。スーツは就職活動に限らず今後必要になってくるとは思うのだが、就職活動用だと思うと抵抗があり、わからないと答えた。すると父はうんうんと頷いて、しかしまた俺を見ると、俺の従妹が近々結婚するから恐らくスーツを着ることになると思うと言ってくれた。

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就職活動をすること自体を迷っている俺に、就職活動にも使えるスーツをとりあえず用意できる口実を与えてくれているのだと思った。どんな進路になるにせよ、父親や母親をがっかりさせないように、この人たちの信頼や笑顔を壊すようなことだけはしないと心に誓った。